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2010.08.31

camera obscura


2010.08.16

藤森照信展

茅野

この場所は自分にとって原体験が詰まった場所.

数年前に茅野駅に茅野市民館が新しく建築され,
建築賞も受賞したりと幼少の頃からすると見違えた場所になりつつある茅野.
今年2010年に開館30周年を迎える茅野市美術館
藤森照信展 諏訪の記憶とフジモリ建築」が開催されていたので行ってきました.

建築家である藤森照信さんもこの地で育ち,この地に原体験が詰まった方です.

フジモリ建築は「神長官守矢史料館」「高過庵」といった代表作にも表れている様に
素材をもの凄く身体感覚に近づける方法で設計されています.

展示物も今までの建築物のエスキース段階のスケッチとともに
屋根や壁の仕上げ材をどうやっておさめるのかを
原寸の素材と図面が等間隔に展示してあり
とても迫力があるとともに藤森さんらしい暖かい展示会になっていました.
あの展示方法ならば建築を勉強していない人であっても
建築の一部分がどのように構成されているのかが
身体感覚で分かりやすかったと思います.

船のようなモノが浮いている上の画像も
今回の展示用に現地の小学生とともにワークショップで造られた
「茶室 – 空飛ぶ泥舟 – 」なのですが,内部は檜で構成され,
外部の上半分の仕上げは銅板を木で叩きながらもみほぐし,
下半分を現地の土を利用し左官仕上げ.
これもまた藤森さんの特徴が出た建築物で面白い.

この空飛ぶ泥舟に入室出来るチャンスがあったらしいですが,
残念ながらもう終わってしまったみたいですね.
どうやって中に入るのでしょう.
高過庵よりも怖そうですよね.
利休が生きていたらどういった評価になるのかも気になるところ.

藤森さんは建築史家だったので色々な顔をお持ちで面白いのですが,
路上観察学会という大人の知識を持った子供の散歩のような活動もしているそうで.
「路上観察学会 物件品評会 in 茅野」というトークセッションが開催されてたので参加してきました.

端的に説明すると
路上観察学会の赤瀬川原平(作家、画家),藤森照信,南伸坊(イラストレーター),松田哲夫(編集者),林丈二(エッセイスト)が
町を歩いて気になった風景を写真で撮って,
後でみんなでああでもないこうでもないと深読みする会.
今回は諏訪大社上社「御柱祭」山出しが行われていた平成22年4月3日、4日の茅野編.
どんなものが品評されたかというと,
町の人が大きな石を端に寄せた場所を深読みして「この配置と角度はアートだ」とか
蔵の棟木を隠す為の丸い材を「蔵ワッペン」と置き換えてみたり,
防風林の形状を深読みして「建築的だ」と真面目に構造を話したりと様々.

建築家としてももの凄く勉強になり魅力的な方ですが
日々アンテナを張りながら疑問を持ち
その疑問は何故起こるのかを
仲間とセッションしながら一つ一つ回答を出していく.
この継続力と日々の意識は大事だなと.

早速,自分もこの大人の散歩を日々の生活に投入しようと思います.

今回の展示は久々にとても考えさせられる展示で
360度どこを見渡しても山に囲まれている素晴らしい風景とともに
茅野の澄んだ空気を大いに吸って充実感でいっぱいでした.

因に,同じく諏訪出身の伊東豊雄さんとのトークセッションも開催されるそうです.
新宿から2時間半程度ですので是非.

藤森照信展 諏訪の記憶とフジモリ建築
●会期:平成22年7月24日(土)-8月29日(日)
●会場:茅野市美術館
●開館時間:10:00-18:00(7月24日は10:00から開展式を開催し、終了後に開場)
●休館日:火曜日

伊東豊雄 × 藤森照信トークセッション
「諏訪の記憶、21世紀の建築」
●日時:平成22年8月22日(日)13:30開場 14:00開始

藤森照信展 諏訪の記憶とフジモリ建築
茅野市美術館


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2010.08.06

T&K TOKA


紙ラボ!主催のインキ工場見学に行ってきました.

見学した場所は印刷に関わったことのある方ならご存知,T&K TOKAさん.

ここはオフセット,UV,フレキソ,グラビア,ニス等色々なインキを製造していて,
UVインキに関しては国内シェアがNo.1という大手.

まずは会議室に案内され,基本的なインキ製造の流れと
T&K TOKAさんのグローバル化の展望を少し.

そこで話に出たのはやはり日本では年々印刷物に伴って紙の生産量が減っていますが
インキも同様に日本ではどうしても頭打ちに来ているらしく,
現在は中国やインドへの進出をしていて,なかなかのシェアを獲得しているとのこと.
まだまだアジアでの印刷物需要は上昇していて日本製品のモノとしての質が発揮されるそうです.

「JAPAN BRAND」という世界からの評価と誇りは守って行きたいところ.


上の画像はインキの原料となるもの。
主に
「顔料」「ワニス」「溶剤」
どのインキも主にこの3つの原料から出来ていて,
これらの配分や成分を変えながらインキを製造していきます.

そして,製造工程を見るべく貴重な工場の中へ.


入ってまず思った事は工場が異様にカラフル.
これは従業員の方々が清潔に保たれているからこそですが,
同時に気になったのがタイポグラフィ.
使用するドラム缶やバケツ,注意書きの文字まで
工場として統一されていて驚きました.
その細かい一つ一つが働く人への意識に響き、
質の高いものづくりが生まれ,
ブランド力に繋がる良い例を見させて頂きました.


見学の方は,「練肉」「調整」「充填」までの
バラバラだった原料が混ざり合いインキとなり
製品になるまでの工程をダイジェストで見学.

途中で説明を聞きながら驚いたのが
「顔料の粒に油分がまとわりつくと良い表情になる」
というマクロな領域の発言もちらほら.
これは当然の様に色んな工程の合間に品質チェックがあるのですが,
インキの品質を決めるのは未だに60%が人の目だそうです.

恐るべきものづくり.

もう少し詳しく知りたい方は
紙ラボ!で記事がアップされていますので是非.

工場の後はオフセット印刷機,フレキソ印刷機も
サンプルで刷った印刷物と併せて説明して頂きましたが

 「印刷業界の今後は箔押し等の職人さんがいる会社が強くなる.
  それはオートメーション化している会社は
  オフセット+箔押しなどの複合機が導入出来ない為に
  生き残っていくには難しいのでは.」

と,少し興味深いお話を聞きました.
人間のあらゆる感覚を研ぎすまして造り続けているT&K TOKAさんの
姿勢を要所要所で感じる事が出来たとても勉強になる1日でした.

お土産にインキのカラーガイドも頂きました.
因に,特色は1kgから製造可能だそうで,
インキは大量でしか発注出来ないんじゃないかという方に朗報です.

近いうちにあちらべオリジナルカラーも練ろうと思います.

乞うご期待

T&K TOKA
紙ラボ!
印刷の余白Lab.


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